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平成開進亭、桂枝光「噺家生活35周年記念」権太楼の巻 [落語]

先週ですが7月のさっぽろ市民寄席、平成開進亭の桂枝光「噺家生活35周年記念」権太楼の巻に行って来ました。

会場:エルプラザ内3Fホール(札幌市北区北8条西3丁目)、日時:7月11日、開場18:30、開演18:50、入場料:一般2000円(道新ぶんぶんクラフブ会員優待 1,800円)

出演:桂枝光、柳家右太楼、柳家権太楼

7月1日の「東西落語名人三人会」に続いて7月は2回目の寄席ですが今回も奥さんはパスです。

今回の「権太楼の巻」は道新ぶんぶんクラフブ会員優待(50名限定)対象の寄席なのでチケット代金は1,800円です。安くて感謝でーす。(-^〇^-)

 

 

当日は午後から大通り近辺で2件の予定があったのですが、それでも開場18:30には時間が開いています。一旦、江別に戻る程の時間も無く、本屋とヨドバシカメラで時間調整して夕食を食べてエルプラザに向かいました。

ヨドバシカメラに寄れば当然ですが今買う必要があるのかって物を買ってしまいます。少し手持ちのジオラマ用の人形が不足してたので、今後使えそうなTOMYTECザ・人間を買っちゃいました。(#^^#)

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歓楽街の人々( 330円)、学生( 420円)、撮る人( 370円)

撮る人はしばらく在庫切れてましたがいつの間にか補充されてたので、見つけた時が買い時でしょう。(^O^)/

以前から気になってるのですが人間シーリーズで値段のバラつきあります。歓楽街の人々なんて単に330円で一番安かったので買ってしまいました・・・

おっと関係無い話しで盛り上がってしまいそうなので、話題を寄席に戻します。(#^^#)

5月の平成開進亭に行った際に、開場時間の少し前まで喫茶コーナーがOPENしていることを知ったので最後の時間調整は喫茶コーナーで 280円のコーヒーです。(^^♪


既に前売りを持っている人は入口前に列になってます。

何人か初めての人もいるようで当日券の購入方法を並んでいる人に聞いています。そうなんですよね。初めてだと仕組みが分からないので当日券の購入を迷っちゃいます。(-_-;)

ここエルプラザでの寄席は開場時間まで当日券は販売しないので開場時間に直ぐに入れるのは前売り券を持っている人です。道新ぶんぶんクラフブ会員優待も当日券と同じテーブルで購入しますが案内が出てないので初めてだと、どうすれば良いのか分かりません。そんなことで今回も一部のお客さんと少し揉めてます。まあ両方の言いたい事は分かりますが、ここには笑いに来たんだからあんまり細かい事を言わずに楽しいひと時を過ごしたいですね。


ホールに入るといつもの通り階段席ですが、少し混んでいるので中段より少し上の端側席を確保します。両隣りが空席なのでゆったり座れるのがこの寄席の魅力です。(#^^#)

今回は270席程度入れるところに、そうですね180名+α入ったかって感じです。


開演時間です。トン♪トン♪トン♪トントコ♪トントコ♪ピーヒャラ♪


◆◆本日の演題◆◆

桂枝光 『道具屋(どうぐや)』

柳家右太楼 『権助提灯(ごんすけぢょうちん)』

柳家権太楼 『青菜(あおな)』

中入り

桂枝光 『帯久(おびきゅう)』

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ちょっとチラシの柳家権太楼さんの写真ですが若過ぎじゃないでしょうかね。決して私だけの感想じゃありません。周りからも中入りの際にヒソヒソ聞こえてきました。・・・w( ̄o ̄)w オオー!

平成開進亭の来月8月8日(木)の公演は何と第100回公演です。ですから今回は記念すべき第99回公演だったんですね。ちなみに第99回はそれだけで何もありませんが、次回の第100回は「記念品」を用意しているそうです。「記念品」は何なのか当日のお楽しみだそうですが次回は奥さんも行くそうです。やっはり「記念品」効果でしょうかね。(^v^)

桂枝光さんの「帯久(おびきゅう)」ですが40分の大ネタで3年ぶりの演題だそうですが、演目をしばらく聴くと・・・この話し私は聴いた記憶あります。と言うことは3年前に聴いたのでしょうか?

 


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◆◆開進亭つれづれより抜粋◆◆

ここ数日の蒸し暑い天気が続いてますが、本日のゲストはそんな湿っぽさを吹き飛ばす爆笑王・柳家権太楼師匠です。昨年11月以来のご登場となる権太楼師匠は、枝光さんと親交が厚く師弟のように仲の良いお二人の競演が楽しみです。

もう一人のゲストは権太楼師匠の4番目のお弟子さんである右太楼さんです。2000年に入門。江戸古典落語をきっちり聴かせる本寸法のスタイルは二ツ目屈指の高評価で勢いのある伸び盛りの口演をお楽しみください。枝光さんも大注目の若手実実力派です。

さて、本日の枝光さんの演目は「帯久(おびきゅう)」です。40分を超える長講のうえ笑いどころが少なく、演じるのが難しいため東京でも上方でも聴く機会の少ない大ネタです。

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◆◆演題のあらすじ◆◆

桂枝光 『道具屋(どうぐや)』

36才にもなるが頭は少しトンチンカンで、ろくに仕事もしないで年中ぶらぶらしている与太郎です。この間、珍しくも商売気を出し「伝書鳩を売ったら自分の所に帰ってくるから丸もうけだ」と、うまいことを考えたが鳥屋に帰ってしまってパー、という具合。

心配したおじさんが自分が副業に屑物を売る道具屋をやっているので、商売のコツを言い聞かせ、商売道具一切持たせて送りだす。しかし、その品物がまたひどくて、脚が2本で立たない扇風機、首が抜けた人形、火事場で拾った真っ赤に錆びた鋸、鞘から抜けない短刀は木刀。まあ元帳があるからそれを見て適当に儲けを足して売ればいいとのことだ。

既に露天商が店を並べているので空いていた場所は便所の横だけ、さっそくそこに店を出す与太郎。

最初の客は大工の棟梁。鋸を見て「こりゃ焼きが足りない」と言われ「そんな事は無い、これは火事場で拾った鋸だからタップリ焼いている」客は怒って帰ってしまう。

隣の店主が「見ろ、小便されたじゃねえか」、「小便?」、「買わずに逃げられることだ」、「へー、どうりで便所の横だからね」

次の客が「おい、その短刀を見せんか」、客が刃を見ようとするが、錆びついているのか抜けない。与太郎も手伝って両方から引っ張るが駄目である。「抜けないな」、「抜けません」、「どうしてだ」、「木刀です」

次の客が「その笛を見せてくれ、えらい汚い笛だなあ」触っているうちに笛の穴に指が入って抜けなくなり、仕方なく笛を買う事にする。「幾らだい?」

さっそく与太郎は元帳を見て「えらい安いなあ・・・これに適当に足せと言ってたなあ」「今日一日の売り上げに、飲み屋の借金、家の家賃にと・・・」

「おい、値段はまだか?幾らじゃ?」、「・・・十万円です」、「高すぎる!足元を見たな?」、「いいえー、指が抜けるか手元を見ました」

 

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柳家右太楼 『権助提灯(ごんすけぢょうちん)』

さるご大家(たいけ)の旦那。妾(めかけ)を囲っているが女将さんは物分かりがよく、またお妾の方も本妻を立てるので家内は円満で旦那は本宅と妾宅を交互にお泊りだという。何とも羨ましい。

ある天気が悪い夜の日です。火元を心配する旦那に女将さんは「うちは問題ないけど、何か今夜はあちらが心配なのであちらに行っておやりなさい」

旦那もそんな言葉に甘えて、まだ起きていた飯炊きの権助に提灯を付けさせて供をさせて妾宅に向かう。

お供の飯炊きの権助は賑やかで、大声で戸を叩いて旦那の到着を伝える。事情を説明する旦那にお妾の方でも本妻に義理を立てて「それは困る。今夜は帰ってください」

飯炊きの権助に提灯の火を付けさせて、しぶしぶ戻る旦那と飯炊きの権助ですが、それから本家と妾宅を行ったり来たりのドタバタです。

最初は消していた提灯の火ですが結果は分かってるので火を消すのも止めた飯炊きの権助です。旦那は「何で消さないんだ。ローソクがもったいないだろう」、「いや、ローソクより本宅の他に妾宅がある方がもったいない」

その後も何度も本宅と妾宅を行ったり来たりするうち、「あい、権助、提灯に火を入れな」、「旦那さんよ、それには及ばねえ。もう夜が明けちまっただ」

 


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柳家権太楼 『青菜(あおな)』

さるお屋敷で仕事中の植木屋、一休みで主人から「酒は好きか」と聞かれる。もとより酒なら浴びるほうの口。そこでごちそうになったのが、上方の柳影(やなぎかげ)という「銘酒」だが、これは実は「なおし」という安酒の加工品。

何も知らない植木屋、酒ですっかりいい心持ちになった上、鯉の洗いまで相伴して大喜び。

「時におまえさん、菜をおあがりかい?」、「へい、大好物で」

主人が手をポンポンと叩くと次の間から奥さまが現れる。主人は「植木屋さんに菜に鰹節を掛けてお出ししてくれ」、すると「旦那さま、鞍馬山から牛若丸が出まして、名を九郎判官(くろうほうがん)」と妙な返事。

旦那は「義経にしておきな」・・・これが、実は夫婦の隠し言葉で、菜は食べてしまってないから「菜は食らう=九郎」、「それならよしとけ=義経」というわけ。

植木屋、その風流にすっかり感心して家に帰ると女房に話して聞かせる。女房「今日はお頭付きだよ」とみるとイワシ。「何がお頭だ・・・」

もめているところへ、悪友の大工の熊。こいつぁいいとばかり、女房を無理やり次の間・・・そんなの無いので押し入れに押し込み「呼ぶまで出てくるな」

熊を相手に「植木屋さんたいそうご精がでるねえ」から始まって、先程の主人との会話をそっくり繰り返そうとするが・・・「はあ、何で俺が植木屋なんだ?俺は大工だろうが」

「植木屋さん、大阪の友人から届いた柳影だ。まあおあがり」、「ただの酒じゃねえか」

「鯉の洗いをおあがり」、「イワシの塩焼きじゃねえか」

「時に植木屋さん、菜をおあがりかな」、「植木屋は、てめえだ」、「菜はお好きかな」、「大嫌えだよ」そんの関係なく話は進む。

ここが肝心だから、「おーい、奥や」と待ってましたとばかり手を叩くと、押入れから女房が汗だくで転げだし、「旦那さま、鞍馬山から牛若丸がいでまして、その名を九郎判官、義経」と先まで言っちまった。

植木屋は困って、「うーん、弁慶にしておけ」

 


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桂枝光 『帯久(おびきゅう)』

日本橋本町4丁目に和泉屋与兵衛という呉服店があった。主人は温厚な人柄で町内の評判も良く店はたいそうな繁盛ぶり。

本町2丁目にも帯屋という、これも呉服屋があるが対照的にこちらは、主人・久七の性格が一癖あるのに加え、店も陰気な雰囲気で、「売れず屋」という異名が付くほどだ。

とうとう3月の晦日の決済もできず、久七が和泉屋に20両の金を借りにきた。人のいい与兵衛は「商人は相身互い」と、証文、利息もなしで快く用立てた上、酒までごちそうして帰す。

20日程して返しにきたが、今度は30両になり、60両になりと、それもその都度20日程で返済に来る。

9月になり今度は100両という大金を借りに来た時も与兵衛はあっさりと貸してしまうが今度は待っても返しに来ない。そうこうしていると大晦日の店がてんやわんやの忙しい時になってやっと返しに来た。

ところが座敷に通して久七が金を出し入帳したところで、番頭さんが旗本が来たと急な呼び出しが入り席を立つ。不用意にも金はそのまま、久七一人座敷に残された。久七、悪心が兆しこれ幸いと金を懐に入れ、何食わぬ顔でさようなら。

部屋に戻った与兵衛は金がないのに気づき、さてはと思い至ったが、確かな証拠もないので自分の不注意なのだとあきらめてしまう。

帯屋の方では、100両浮いたのが運の付き始め。新年早々景品をつけて大サービスしたので、たちまち大繁盛。

一方、和泉屋はこれがケチの付き始めで、3月に一人娘が病で亡くなり、次いで奥さんも心労で追いかけるように亡くなり、追い打ちをかけるようにその年の暮れには神田三河町の大火で、蔵もろとも店は全焼。

与兵衛は以前に分家してあった武兵衛という忠義な番頭に引き取られるが、どっと病の床につく。武兵衛もまた他人の連帯保証人をしたことから店をつぶしてしまう。

懸命に旧主の介抱をするうち十年の歳月が流れた。

ようやく全快した与兵衛、自分はもう何の望みもないが、長年貧しい中、自分を養ってくれた武兵衛に、もう一度、のれんを出させたいと、武兵衛が止めるのも聞かず、帯屋に金を借りに行く。

ところが帯屋は冷酷無残でけんもほろろ。銭もらいとののしり、びた一文も貸す金はないと言い放つ。思わず与兵衛も、かっとして100両の件を持ち出しののしると、因縁をつけるのかと久七は煙管で与兵衛の額を打ち、店の者に表にたたき出させる。

与兵衛は悔しさのあまり、帯屋の裏庭の松の木で首をくくってやろうとふと見ると、不用心にもかんなくずが散らばっているので、いっそ放火して思いを晴らそうと火を付けたが、昼間だったので店の者に直ぐに見つかり消され、与兵衛も取り押さえられる。

火付けは重罪なのだが同情した町役人はもみ消してくれたが、久七は100両の件が公になる事を恐れて奉行所に訴え出る。これで与兵衛は火付けの大罪で裁かれることになる、

名奉行・大岡越前守さまのお裁きとなる。が下調べの結果、帯屋の業悪ぶりを知る事になる。

100両も久七が懐に入れたと目星をつけたので、カマをかけるが久七は絶対に返しましたと白を切る。

そこで、久七に右手を出させ人指し指と中指を紙で巻いて張り付け判を押す。「これは物を思い出す呪いである。破却する時はその方は死罪、家は取りつぶし、そのむね心得よ」

久七は、紙が破れれば首が飛ぶというので飯も食えない、風呂も入れないし寝ることすらままならない。

三日もすると音を上げて青ざめ、出頭して、まだ返していないと白状する。

奉行はその場で元金100両出させた上、十年分の利息100両を払うように久七に命じた。持ち合わせが無かったが番頭が気を利かせて50両持参してたので残りは50両。

残金50両を久七の希望で年賦とする。年10両ずつ、いや5両、いや1両ずつ払うと久七は約束する。そして奉行は直ぐに証文を作らせた。

「さて、和泉屋与兵衛。火付けの罪は逃れられぬ。火あぶりの刑とする」、これを聞いて久七が喜ぶ。

「ただし、50両の年賦金、受け取りし後に刑を行う」、これだと、和泉屋が火あぶりになるまで50年も待たねばならない。慌てたのは久七「恐れながら申し上げます。ただちに50両払いますので、どうかすぐに和泉屋をお仕置きに」

「だまれ!」、「かく証文をしたためたるのち、天下の裁判にやり直しを願うとは不届き千万」、「へえー、恐れいりました」

奉行、与兵衛に「その方まことに不憫なやつ。何歳にあいなる」、「61でございます」、「還暦か。いやさ、本卦(=本家)じゃのう」、「今は分家の居候でございます」

 


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◆平成開進亭のさっぽろ市民寄席の予定◆

平成開進亭(8月 枝光・雀三郎二人会)

8月の開進亭のゲストは上方から雀三郎さんが登場!歌う落語家としても有名です。

冒頭でも紹介した通り平成開進亭の第100回公演になります。桂枝光さん「記念品」をご用意してご来場をお待ちしているそうです。(^^♪

 


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◆柳家右太楼さんについて◆

柳家右太楼(やなぎや うたろう)。1977年03月14日生まれ。岐阜県岐阜市出身。

2000(平成12)年11月 柳家権太楼(4番目のお弟子さん)に入門、前座名「さん太」
 
2004(平成16)年07月 二ツ目昇進 「右太楼」と改名

 

◆柳家権太楼さんについて◆

柳家権太楼(やなぎや ごんたろう)。1947年01月24日生まれ。東京都北区出身。出囃子は金比羅。紋はくくり猿。

1970年04月、故柳家つばめに入門 前座名「ほたる」。1974年09月、師匠他界により、柳家小さん門下となる。

1975年11月、二ツ目昇進「さん光」と改名。

1982年09月、真打昇進 三代目「柳家権太楼」を襲名。

2012年03月、平成23年度 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。十八番は、「代書屋」、「火焔太鼓」。

大学の落研時代には、枝光さんの師匠である5代目桂枝光が小枝光の頃に立ち上げた「東京小枝光の会」に参加し、枝光さんとは縁が深い。

 

◆桂枝光さんについて◆

2代目 桂枝光(かつら しこう)。1959年6月21日生まれ。 大阪府大阪市城東区出身。出囃子は猩々。紋は結び柏。
 
よしもとクリエイティブ・エージェンシー札幌事務所所属。上方落語協会会員。前名は桂 小つぶ。

結婚、子供2人に恵まれたが、その子供が後に罹った喘息を改善させるために北海道へ移住した。1996年8月、2代目桂枝光を襲名。師匠の死後は、再び故郷である大阪に拠点を移した。現在、札幌市豊平区平岸に住む。

札幌では寄席ブームを復活させようと平成17年5月にさっぽろ市民寄席として、<平成開進亭>を立ち上げ活動している。

 

◆平成開進亭について◆

平成開進亭(へいせいかいしんてい)は、桂枝光さんが席亭を勤め、立ち上げた札幌市の「さっぽろ市民寄席」です。

寄席ですが、実際には小屋を持たず、札幌市内のホール等で定期的に開催されています。明治時代に札幌にも寄席があり、「席亭山下」、「開進亭」、「松進亭」、「札幌亭」、「金沢亭」、「丸市亭」、「南亭」などで、いずれも現存してません。

その中の「開進亭」を改め「平成開進亭」として平成17年5月から毎月活動している。

 


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