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桂枝光編、地獄八景2012バージョンの口演を聞いてきました [落語]

昨日ですが、平成開進亭7周年記念の第3弾口演で、桂枝光さんの口演を聞いてきました。(^^♪

会場:エルプラザ内3Fホール(札幌市北区北8条西3丁目)、日時:5月17日、開場18:30、開演18:45、入場料:一般2000円

出演:桂枝光、柳家権太楼、柳家ほたる

先日、新聞をみてたら、桂枝光「地獄八景亡者の戯れ」4年ぶりに口演との記事を見つけました。(-^〇^-)

桂枝光さんは、平成開進亭として毎月口演されているようですが、札幌まで聞きに行ったのは、今回が初めてです。

桂枝光さんのインタビューが新聞で大きく掲載されています。

へー、「地獄八景亡者の戯れ」って、面白そうじゃないですかね。奥さんをお誘いして、見に行くことにしました。(-^〇^-)

DSCN4098.JPG

 

 

桂枝光さんによると、札幌での「地獄八景亡者の戯れ」を演じるのは「5回目くらい」。初めて演じた「ネタ下ろし」は10年以上前の40歳前後のとき。なんだって。

上方落語の大御所、桂米朝さんが得意とする演目でもあり、枝光さんは、米朝さんのCDなどで、はなしを覚え、独演会で札幌を訪れた米朝さんに演じたい旨を話し、許されたそうです。

演者によっては、1時間半にも及ぶ長い話しですが、枝光さんは、米朝さんから「できれば50分くらいにまとめてやった方がええ」と言われたそうで、今回の口演は55分くらいとか。

枝光さんも「余り長いと、聞く方がだれるんです」と言われましたが、そうなんです!今回も奥さんの心配は、寝てしまいそう。(-_-)゜zzz… だったんです。


旬の時事ネタを盛り込んで作り上げていくはなしだけに、過去のギャグは社会情勢が変わると笑ってもらえないとか、前回演じたのは2008年11月の独演会だったので、麻生太郎首相(当時)が旬だったんだって。

ということで、4年前に聞いた人も今回聞いたら、はなし違うって思うそうです。


昨日は、朝から雨でしたが、夕方からは小雨に変わらました。帰りは雨も止みそうです。良かった。(#^.^#)

会場のエルプラザは、札幌駅北口から直ぐです。といっても入るのは初めてなんです、

地下の歩行空間から入ると、ここは、B2ですかね。調度、エレベータあったので乗ると、1Fまで、えーそうなの。(;゚Д゚)!

1Fエレベータは待っている人で混んでるので、エスカレータで上がると2F止まり。何これ?ブツブツ。

階段を見つけて、3Fに到着。大勢の人が並んでます。(T_T)

係の人がいたので、当日券売場を聞くと、右手の前方とのこと・・・、列に並ぶが何か普通開場に並んでいる雰囲気?窓口らしきものも見えません。

なので、戻り、再度係の人に聞くと、同じところを教えられる。えー???

再度、近くに行き探すが窓口ありません。(T_T) と、人ごみの奥に、小さなテーブルを出して売っている人を発見しました。そういうことね!

無事、チケット購入です。

DSCN4097.JPG

待つことなく、開場時間になり、ドヤドヤっと、会場に入りました。

前方は、100席程の椅子を並べてます。皆さん、最前列を狙って前から埋まってます。

その後ろは、可動式の段になってる椅子です。段差があって、前のひとが邪魔に感じなさそうです。後方は200席程あるんじゃないでしょうか?段の後方側に陣取りました。

300人程は入ったんじゃないかな?大入り満員って感じです。これだけ、満席近くになると、演者も気合い入るよね。(^v^)

開場から開演まで15分なので、もう開演時間です。5分過ぎました。遅れるのかな?

そこへ館内放送です。「只今より10分の休憩に入ります」、これには、どっと大ウケです。(#^.^#)

ということで、無事、開演です。トン♪トン♪トン♪トントコ♪トントコ♪ピーヒャラ♪


本日の演題


[1]柳家ほたる『強情灸』

[2]桂枝光『鹿政談』

[3]柳家権太楼『お化け長屋』


中入り

[4]桂枝光『地獄八景亡者の戯れ』


やっぱ笑いは、いいよね。(^v^)


あっという間の2時間ちょっとで、楽しい桂枝光さんや他の方の口演でした。(≧∇≦)/

柳家ほたるさんについて


柳家ほたる(やなぎやほたる)。1976年10月05日生まれ。東京都渋谷区出身。出囃子は石段。

2004年06月、柳家権太楼に入門 前座名「ごん坊」。2008年03月、二ツ目昇進 「ほたる」と改名

柳家権太楼さんについて

柳家 権太楼(やなぎや ごんたろう)。1947年01月24日生まれ。東京都北区出身。出囃子は金比羅。紋はくくり猿。

1970年04月、故柳家つばめに入門 前座名「ほたる」。1974年09月、師匠他界により、柳家小さん門下となる。1975年11月、二ツ目昇進「さん光」と改名。1982年09月、真打昇進 三代目「柳家権太楼」を襲名。

2012年03月、平成23年度 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。十八番は、「代書屋」、「火焔太鼓」。

大学の落研時代には、枝光さんの師匠である5代目桂枝光が小枝光の頃に立ち上げた「東京小枝光の会」に参加し、枝光さんとは縁が深い。

桂枝光さんについて

2代目 桂枝光(かつらしこう)。1959年06月21日生まれ。 大阪府大阪市城東区出身。出囃子は猩々。紋は結び柏。
 
よしもとクリエイティブ・エージェンシー札幌事務所所属。上方落語協会会員。前名は桂 小つぶ。

結婚、子供2人に恵まれたが、その子供が後に罹った喘息を改善させるために北海道へ移住した。1996年8月、2代目桂枝光を襲名。師匠の死後は、再び故郷である大阪に拠点を移した。

札幌では寄席ブームを復活させようと平成17年5月にさっぽろ市民寄席として、<平成開進亭>を立ち上げ活動している。



平成開進亭について

平成開進亭(へいせいかいしんてい)は、桂枝光さんが席亭を勤め、立ち上げた札幌市の「さっぽろ市民寄席」です。

寄席ですが、実際には小屋を持たず、札幌市内のホール等で定期的に開催されています。明治時代に札幌にも寄席があり、「席亭山下」、「開進亭」、「松進亭」、「札幌亭」、「金沢亭」、「丸市亭」、「南亭」などで、いずれも現存してません。

その中の「開進亭」を改め「平成開進亭」として平成17年5月から毎月活動しているので、今年が7周年記念になります。

 

以下は・・・本日の演題のあらすじについて

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[パスワード]柳家ほたる『強情灸』(ごうじょうきゅう)

江戸っ子は強情っぱり、負け惜しみの強い人が多く居るものです。

峯の灸に行って来た男が「たかが灸だと言うが熱さは熱い!」と言う。こんな小さな灸だが気の小さい男がすると「ぎゃっ」っと言って、天井突き破ってどっかいっちゃったりする。それを俺はスエて来た。

治療に行くのだが、そこに着くと、熱さで苦しんでいる人を見るとみんな怖じ気づいてしまう。だから番号札を貰う。俺の番号札は「への三十六番」。年の頃は二十四五のスキのない位の綺麗な女が、「先ほどから待っていますが、スエそびれています。お急ぎでしたら番号を取り替えましょうか。」と言われ、交換したら スグ俺の番になってしまった。

治療所に入り、あぐらをかいて背中を出して待っていた。そこにスエる奴が出てきて「熱いですが、治りますので、最後まで我慢をしてください。」と言うので、「たかが灸だろう。背中で焚き火をするんじゃあるまいし。どの位するんだ。」、「片側16ヶ所、両側32ヶ所やります。」、「それっきりか。全部いっぺんにやって貰おう」。本当はこんな小さなひとつでも熱いのに見得を切った。ホントはやらないだろうと思っていたが、さよでございますかと正直に32並べて、火を付け始めた。熱くて我慢が出来ないが、外に逃げ出す訳にも行かず、回りの人達も先ほど番号を交換した女も感心しているように見えたので、我慢した。カチカチ山の狸が火を背負っているような気がした。

それを聞いていた相棒が、「それっきしの灸で自分だけスエて来たような顔をするな。冗談じゃない。俺だってこれからスエるんだ。米ッ粒のようなモグサで熱いと言うな。いいか、モグサはなぁ・・・」と言って、腕にモグサを山のように積み上げ、それに火を点けた。

「煙が出て浅間山の噴火のようだ。これだけじゃない、うちわで扇ぐ。まるで蒲焼きのようだろう。石川五右衛門の釜ゆでを知っているか。油が煮えたぎった中でニコッと笑って、辞世の句を残したんだぞ。アッ(と言って腕を叩く)。八百屋お七を知ってるか。火あぶりになったんだぞ。こんな事で熱いと言えるか!」(だんだんと声の調子がうわずってきた)。

「八百屋お七を見ろ。石川五右衛門を・・・。わー、う~~、わぁ~、」、腕を押さえて悲鳴を上げ始めた。「石川五右衛門がどうした」。

「石川五右衛門も熱かったろうな」。


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[パスワード]桂枝光『鹿政談』(しかせいだん)

現在でも鹿は奈良の名物であるが、かつては鹿が『神獣』とされていた事もあって、現在からみると想像を絶するほどの手厚い保護が行われていた。何しろ、ちょっと叩いただけでも五貫文の罰金、もし間違って殺そうものなら、石子詰め(死罪)、家族は島流しという、当時の最高刑が待っていたのだ。
 
そんな時代の、ある朝に起きた出来事。奈良三条横町というところに、豆腐屋渡世を営む老夫婦が住んでいた。
 
主である与兵衛が朝早くから起きだし、豆を挽いていると表で何やら物音がする。慌てて飛び出してみると、大きな赤犬がキラズ(卯の花の事)の桶に首を突っ込み、キラズを旨そうに食べていたのだ。
 
朝から商売物を荒らされるとは縁起が悪い。さすがの与兵衛もカッとなり、手近にあった薪を持つと犬にめがけてポーン…命中した。まさか当たってしまうとは考えていなかった与兵衛さん、助け起こそうと慌てて近づき…絶句。なんと、倒れていたのは犬ではなくて鹿!!
 
町中ひっくり返るような大騒ぎとなった。当時、鹿を担当していたのは目代(代官)の塚原出雲と、興福寺の番僧・了全の二人。この二人が連名で願書を書き、哀れ与兵衛はお裁きを受ける身になる。
 
この裁きを担当することになったのは、名奉行との誉れが高い根岸肥前守というお方だ。お奉行様とて、この哀れな老人を処刑したいわけではない。何とか助けようと思い、与兵衛に「生国は?」「病はあるか?」等と次々質問してみるが、嘘をつくことの嫌いな与兵衛はすべての質問に正直に答えてしまった。
 
こうなっては、もう与兵衛を助ける手段はない。困った奉行、しばらく考えていたが、ポンと手を一つたたく。

奉行、「キラズの桶に首を突っ込み、キラズを食べたという、鹿なら角が邪魔である。しかし、これには角が無いではないか? 犬ならば裁きの必要はない」と、鹿の守役に言う。「鹿は毎年春、若葉を食しますために弱って角を落とします」とやり返す。
 
奉行、またしばらく考えた。「鹿がキラズを食べたというが、毎年、幕府から下される鹿の餌料は三千両。鹿の腹が満たないわけがない」

「そこまで申すのなら、鹿の前に別の事を調べねばならぬ。この頃、鹿の餌料を着服し、高利で貸し付けてボロ儲けしている不届き者がいるという。それは誰だ」
 
「それでも、この裁きを続けたいのであれば、今度は鹿の餌料を横領した者の裁きを始める。どうじゃ…? これは犬か…鹿か?」
 
鹿の守役、たまらず「犬鹿蝶!!」、奉行に怒られてしまった。「わたくし、歳のせいか犬と鹿を取り違えてしまったようです」
 
これにて一件は落着。「与兵衛、キラズ(斬らず)にやるぞ」

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[パスワード]柳家権太楼『お化け長屋』

江戸っ子は見かけとは裏腹に小心で恐がり。そんな噺。

長屋に空き店の札。長屋が全部埋まってしまうと大家の態度が大きくなり、店賃の値上げまでやられかねない。そこで店子の古株、古狸の杢兵衛(もくべえ)が世話人の源兵衛と相談し、店を借りにくる人間に怪談噺をして脅かし、追い払うことにした。

最初に現れた気の弱そうな男は、杢兵衛に「三日目の晩、草木も眠る丑三つ時、独りでに仏前の鈴がチーン、縁側の障子がツツーと開いて、髪をおどろに振り乱した女がゲタゲタゲタっと笑い、冷たい手で顔をサッ」と雑巾で顔を撫でられて、悲鳴をあげて逃げだした。

源兵衛が様子を見に来ると、弱そうな男は、銭入りのがま口を置き忘れて行ったから、二人はホクホク。

源兵衛が杢兵衛にどんな話をしたと聞く、杢兵衛の話をちょっと聞いては、源兵衛怖いと騒いでは、続きを聞きたがる掛け合いを繰り返す。

次に現れたのは威勢のいい職人。なじみの吉原の女郎が年季が明けるので、所帯を持つという。これが、杢兵衛どう脅かしてもさっぱり効果がない。

仏さまの鈴がリーンと言うと、「夜中に余興があるのはにぎやかでいいや」、「ゲタゲタゲタと笑います」、「愛嬌があっていいや」、最後に濡れ雑巾をなすろうとすると、「何しやがんでえ」と反対に杢兵衛の顔に押しつけ、引っ越してくると出ていく。

源兵衛が様子を見に来て、威勢のいい職人は銭入りがま口を忘れてったか聞くと、源兵衛、「最初にせしめた銭入りがま口を取られた」と気がつく。

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[パスワード]桂枝光『地獄八景亡者の戯れ』(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)


サバを食べて死んだ男が、あの世で伊勢屋のご隠居と再会、と言っても、サバ男に、ご隠居の出番は最初だけ。

登場人物は、遊び人の賑やかな若旦那一行に代わり、他の亡者らとともにさんずの川を渡って、念仏町、芝居町などを通り、閻魔の庁で裁きを受ける。

この話の面白いところは、古典落語でありながら、随所に旬の時事ネタを持ち込めるところです。さんずの川の川岸の茶店の場面や、渡し賃の応対、六道の辻や念仏を買うところなど、現代の話を取り入れます。

この旬の時事ネタを膨らませることで、はなしの時間がどんどん長くなるんですね。

今回の旬の時事ネタですが、NHKテレビ小説のカーネーション、原発再稼働、電気料金値上げ、田中防衛大臣、野田首相、大阪橋下市長、大阪維新の会、ギリシャ財政、HKB(ハカバ)48などなど

亡き人物では、マリリンモローがショーを行い北朝鮮の金正日が通いつめてる。立川談志が前座で、円楽が大喜利の司会やってる。次回予定は桂三枝(まだ健在だよ)なんて感じで、止まりません。

で、最後に古典にはなしは戻り、みんな極楽に行けるのに、医者、山伏、歯抜き師、軽業師の4人が地獄へ落とされる。4人は地獄の難所を、特技でくぐり抜けると、鬼にのみ込まれるが、腹の中で暴れて、鬼を困らせる。

最後は、閻魔大王の「大王」と、下剤に使われる漢方薬の「大黄」とかけて落となる。

ハメモノ(話の途中の鳴り物)が多く入ることや、閻魔大王の顔まね(ちょーウケです)、また軽業のしぐさなど、笑えます。テンポ早く、55分ネタは笑いの連続でしたよ。


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