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さっぽろ市民寄席、5月の平成開進亭(十周年記念祭・権太楼二人会) [落語]

先週の木曜日に、5月のさっぽろ市民寄席、平成開進亭(十周年記念祭・権太楼二人会)に、奥さんと行って来ました。(#^^#)

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会場:エルプラザ内3Fホール(札幌市北区北8条西3丁目)、日時:5月14日(木)、開場18:15、開演18:30、入場料:一般 2,000円(ぶんぶんクラブ会員1800円30名限定/要予約)

出演:桂枝光, 柳家権太楼, 柳家ほたる

まずは、桂枝光師匠が平成17年5月から毎月活動している「平成開進亭」ですが、今月の回で十周年を迎えた事をお祝い申し上げます。m(__)m

毎月開催される「さっぽろ市民寄席(平成開進亭)」で、三席努める枝光師匠ですが、10年間継続した結果として、十周年を迎える事になったわけですが、凄い事だと思います。何が凄いって、毎回三席を10年間続ける事もそうですが、毎回飛行機代をかけてゲストを招いて入場料が基本的に二千円ですから驚きです。私なんか毎月行く事すら無理と諦めていますが、せめて行った時はブログに書いて、一人でも「平成開進亭」に興味を持って出かける人が出てくれればいいなあなんて、応援の意味を含めて書かせて頂いてます。

会場入り口には、十周年記念を祝う花も届いてました。

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開演時間です。トン♪トン♪トン♪トントコ♪トントコ♪ピーヒャラ♪

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◆◆本日の演目◆◆

開口一番、柳家ほたる『新聞記事(しんぶんきじ)』

桂枝光『紙屑屋(かみくずや)』

柳家権太楼『笠碁(かさご)』

中入り

柳家権太楼『代筆屋(だいひつや)』

桂枝光『はてな茶碗(はてなちゃわん)』

いつもならゲストが誰かで大きく影響する入場者数ですが、今回は十周年という事で違います。私たち夫婦もそうですが、十周年のお祝いの意味で大入りにしようと訪れた人が多いんじゃないかと、勝手に想像しています。次々とお客さんが会場に入ってきました。ゲスト目当ての入りだと中入り後のゲストの演目が終わると、トリの枝光師匠の前に結構な客が席を立つのですが、この日は数名が立っただけで多くが残りました。そんな光景を見ている私も嬉しい気分になっちゃいます。(#^^#)

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北海度には寄席の文化がないと言われてましたが、明治時代に札幌に寄席があったという資料を枝光師匠が見つけ知ったのが、開進亭こけら落としの3ケ月前で、ちょうど、師匠が危篤状態の時でもあり「お前がこの寄席を復活させろ」と言われている様に思いスタートして、十年間毎月三席努めているそうです。

枝光師匠の企画の凄いのが、普通の寄席も色んな場所で実施しているのですが、例えば「ふじ寄席」は、居酒屋を使ったお座敷落語会で、落語三席をたっぷり聴いた後に飲み放題&軽食付きの打ち上げも楽しめて三千円です。そして、最近では我がまち江別にも「恋が亭(れんがてい)平成千歳座」という事で、江別市民会館3Fにて何と千円で落語会を開催しているそうです。私は日程が合わなく「恋が亭」は行った事ありませんが、「ふじ寄席」が第17回、「恋が亭」が第6回まで開催されたそうですから、安価な値段で「ここまでやるか」って感じですね。

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毎回、楽しく読ませて頂いている「開進亭つれづれ」ですが、十周年特版ってやつですかね。なんと8名ものメジャー級の落語家からの十周年を祝うインタビュー記事が載せられた冊子になっています。読み応え十分で、開演前、中入り、帰りの電車と楽しく読ませて頂きました。

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◆◆開進亭つれづれ特版より抜粋◆◆

【桂枝光師匠の挨拶】

開進亭がスタートした頃は、俗にいう落語ブームの初期で、テレビでは「タイガー&ドラゴン」、映画では「ちりとてちん」と、約3年間は順調な客入りだったのですが、ブームが去ったその後は、営業的には苦しい時期に入りました。(今となっては懐かしい思い出)

それまで東京からのゲストは、権太楼師匠、喬太郎師匠しか出て頂けなかったのが、5年を過ぎた頃からさん喬師匠、三三師匠といろいろな方々に出演頂けるようになりました。平成24年春頃から東京での活動が広がり、いろんなか方との出会いが、今の形となっています。改めて出演頂いた皆さんに心から感謝申し上げます。

いつも客席から拍手、声援を頂き喜んでおります。皆さんの応援を裏切らないよう、これからも精神して参ります。

【柳家権太楼師匠】

枝光さんに感謝してほしい・・・平成開進亭は、枝光さんのチャレンジする会と思ってるので、毎回すべて成功する必要はなく八勝七敗を続けられればいいんです。日本のエース級の落語家が快く出演を引き受けているのは、枝光さんが一生懸命やっていることがわかり、枝光さんの高座以外の心遣いに共感しているのです。だから皆さんは枝光さんに感謝して、応援していただきたいと思ってます。

【柳家さん喬師匠】

札幌に落語を根付かせる努力を感じます・・・東京でも落語家自身が主催する落語会はたくさんありますが、毎月は絶対にできない。開進亭を立ち上げた背景には、お客さまに落語から離れないでほしいという思いがあったからでしょう。毎月続けていくということは、札幌の落語会を背負っていく熱意もあったのではないかと思います。

【瀧川鯉昇師匠】

落語はご飯や味噌汁のようなもの・・・ご飯や味噌汁は、一度食べたからもう食べなくてもいいというものではありません。落語も同じで、毎日のように聞いても飽きないものです。古典であれ新作であれ「定番」をマンネリと思わず、ちょっとした違いや演者の個性を楽しんでいただけると嬉しいです。

【春風亭昇太師匠】

友達を誘って来てください・・・毎月一回、毎回ネタおろしという落語会を十年続けるというのは尋常ではないですね(笑)。入場料が事本的に二千円というのも驚きです。友達の分も出して友達を誘って来てあげて下さい。落語ファンというものは落語を聞き続けているとだんだん笑わなくなる傾向があります。評論家気分を味わうのも落語の楽しみ方の一つですが、余計なうんちくなど語らず素直に笑いを楽しむ感性も大切にしてほしいです。

【柳家喬太郎師匠】

耕された土壌で冒険させてもらっています・・・開進亭は、笑いの少ない噺(はなし)や馴染みのないネタでも大丈夫という安心感があるので、冒険的な噺や試したいネタをかけることができます。これも枝光師匠が札幌という土壌を耕してきた結果だと思います。それでもまだまだ耕す余地はたくさんあると思うので、枝光師匠にはできるだけ長生きして死ぬまで開進亭を続けてほしいですね。

【桃月庵白酒師匠】

楽しんで聞くことに馴れているお客さま・・・落語会のお客様には初心者から通までいろいろな方がいますが、開進亭の場合は、変にマニアック過ぎないという印象で、楽しんで聞くことに慣れている方が多いように感じます。キャパが大きくなった方が収益は増えますが、大きくなり過ぎると全く別物になってしまいます。できれば今の雰囲気のままいつまでも続けてほしいですね。

【柳家三三師匠】

枝光師匠のホームグラウンド・・・開進亭は落語好きの方が集まる会だと思うので、常連のお客さまを飽きさせず期待に応えていくのは素晴らしいと思います。ゲストとしては、ここが枝光師匠のホームグラウンドなんだろうなという雰囲気を強く感じますね。枝光師匠の落語は、いつも明るくエネルギッシュですね。僕は、落語一席しゃべるのにそこまで体力を使わないほうなので、素直にすごいなぁと思います。くれぐれも体調には気をつけていただきたいですね。

【春風亭一之輔師匠】

師匠を支えるおかみさんがすごい!・・・開進亭が十年続いているというのは本当にすごいと思います。毎回三席もやっている枝光師匠はもちろんですが、それを支えているおかみさんもすごい。枝光師匠だってたまに怠けたくなったりすることがあるのでしょうが、そんな時は、発破かけたり背中を押す役目がおかみさんであり、それがあるからここまでこれたのだと思います。それもまたすごいことですよね。

【インタビュー後記】

札幌で極上の落語を味わえる幸せがこれからみ続くことを心から願っています。

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いつものブログですと、◆◆演目のあらすじ◆◆と題して、頑張って私なりに読み物になるように、あらすじを書いてみるのですが、今回は平成開進亭の十周年記念という事で、開進亭つれづれ特版の読み応えあるメジャー級の落語家八人のインタビューを、私なりの解釈で大胆に抜粋して(笑)載せさせて頂きましたが、枝光師匠の定番のマクラの小ネタを、十周年記念として一気にまとめて書いてみたいと思います。

[わーい(嬉しい顔)]私が芸名桂枝光、本名えなりかずきと申します。

[わーい(嬉しい顔)]本当に一杯のお客様で、これもひとえにゲストのお蔭です。

[わーい(嬉しい顔)]こないだ私が地下鉄に乗ってましたら、前に座ってるオジサンのズボンのファスナーが開いてるんです。気を使いましてね。大きい声で教えると周りに聞こえて恥ずかしい思いをされます。といって黙って上げてあげると面倒な事になります。そこで小さい声で「オジサンオジサン、チャック開いてます」って教えたら、「おたくも開いてます」

[わーい(嬉しい顔)]こないだ友達の家に電話したら、そこの子供がでたんですが、「あー、もしもしお父さんいる?」、「パパいる?パパいらない」

[わーい(嬉しい顔)]こないだも冷蔵庫開けて缶ビールをグーッと飲もうと思ったら、一口飲んだら温かったんです。「なんだこれ」、うちの嫁が「ゴメン、冷えなかった」って言うと思ったら違うんです。「分からんのー、いま入れたところ」、「お前はいったい何様じゃ」、「ふん、奥様」

[わーい(嬉しい顔)]憎たらしいですね。「妻の声、昔はトキメキ、今は動悸(どうき)」

[わーい(嬉しい顔)]安らぎは職場と家庭の便座だけ。

[わーい(嬉しい顔)]お父さんは素材ゴミ状態です。「素材ゴミ、朝出したのに夜戻る」

[わーい(嬉しい顔)]こないだ風邪気味で病院に行きますと待合室は老人の憩いの場ですね。「ちょっと田中さん、田中さん」、「なんです?」、「今日は山田のお婆さんの顔を見て無いけど?」、「山田さんなぁ、今日は風邪ひいて家で寝てる」、「風邪ひいて家で寝てるなんてかわいそうな、早く元気になって病院これるといいのにね」

[わーい(嬉しい顔)]「先生、ちょっとみてください」、「どうしました?」、「指で触ると痛いんです。膝でしょう。頭でしょう。心臓でしょう・・・」、「おばあちゃんね。それ指が骨折してるんです」

[わーい(嬉しい顔)]あるお婆さんが尿検査を受けようと、ペットボトルに沢山の尿を入れてきました。先生から検査結果の説明です。「おばあちゃん良かったですね。異常無しです」、「そうですか、じゃ家に電話させてください」、ピーポーパー、「あぁ私だけど、みんな喜んで、家族みんな異常無しだわ」

[わーい(嬉しい顔)]「この杖は水戸黄門が使ってた杖なんだ」、「おい、この杖には富士山五合目って書いてるぞ」。「黄門様が富士山に登った頂上で、ご来光を見て感想を言ったんだよ。ステッキーって」

[わーい(嬉しい顔)]ある奥さんが美術館に出掛けて「この作品は?」、「これはシャガールでございます」、「こちらは?」、「こちらはダヴィンチでございます」、「これはピカソですね」、「いいえ、これは鏡に映ってる奥様でございます。

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◆平成開進亭のさっぽろ市民寄席の予定◆

会場は全て、男女共同参画センター エルプラザ3Fホール(北区北8西3)。

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[本]6月の平成開進亭(喬太郎二人会)

開演 2015年06月16日(火) 18:50(開場 18:30)。桂枝光, 柳家喬太郎

料金:一般:2,000円、【65歳以上優待】1,500円(要予約30名限定)

[本]7月の平成開進亭(好楽・王楽三人会)

開演 2015年07月16日(木) 18:50(開場 18:30)。桂枝光, 三遊亭好楽, 三遊亭王楽

料金:一般:2,000円、【ぶんぶんクラブ会員優待】1,800円(要予約30名限定)

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[本]8月平成開進亭(満喫!! 寄席気分)

開演 2015年08月16日(日) 14:00(開場 13:40)。桂枝光。大喜利や漫才なども交えて寄席気分たっぷりの会。木戸銭もお手頃です!驚き価格の料金:一般:1,000円

[本]9月平成開進亭(正蔵・米團治三人会)

開演 2015年09月08日(火) 18:50(開場 18:30)。桂枝光, 林家正蔵, 桂米團治。超豪華、東西二世対決! 東からはテレビでもお馴染みの九代目林家正蔵師匠、西からは米朝一門のプリンス桂米團治師匠が揃い踏み。

料金:一般:2,000円

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◆柳家ほたるさんについて◆

柳家ほたる(やなぎやほたる)。1976年10月05日生まれ。東京都渋谷区出身。出囃子は石段。

2004年06月、柳家権太楼に入門 前座名「ごん坊」
2008年03月、二ツ目昇進 「ほたる」と改名

◆柳家権太楼さんについて◆

柳家権太楼(やなぎや ごんたろう)。1947年01月24日生まれ。東京都北区出身。出囃子は金比羅。紋はくくり猿。

1970年04月、故柳家つばめに入門 前座名「ほたる」。1974年09月、師匠他界により、柳家小さん門下となる。
1975年11月、二ツ目昇進「さん光」と改名。
1982年09月、真打昇進 三代目「柳家権太楼」を襲名。
2012年03月、平成23年度 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。十八番は、「代書屋」、「火焔太鼓」。

大学の落研時代には、枝光さんの師匠である5代目桂枝光が小枝光の頃に立ち上げた「東京小枝光の会」に参加し、枝光さんとは縁が深い。

◆桂枝光さんについて◆

2代目 桂枝光(かつら しこう)。1948年年02月23日生まれ。 大阪府大阪市出身。出囃子は夫婦万歳。紋は結び柏。よしもとクリエイティブ・エージェンシー札幌事務所所属。上方落語協会会員。

1978年10月、桂文枝の11番弟子として入門。高座名は桂小つぶ。
1991年、札幌に移住。
1996年08月、2代目桂枝光を襲名。師匠の死後は、再び故郷である大阪に拠点を移したが、現在、札幌市豊平区平岸に住む。
2005年、札幌で寄席ブームを復活させようとさっぽろ市民寄席として「平成開進亭」を立ち上げ活動している。


◆平成開進亭について◆

平成開進亭(へいせいかいしんてい)は、桂枝光さんが席亭を勤め、立ち上げた札幌市の「さっぽろ市民寄席」です。

寄席ですが、実際には小屋を持たず、札幌市内のホール等で定期的に開催されています。明治時代に札幌にも寄席があり、「席亭山下」、「開進亭」、「松進亭」、「札幌亭」、「金沢亭」、「丸市亭」、「南亭」などで、いずれも現存してません。

その中の「開進亭」を改め「平成開進亭」として平成17年5月から毎月活動している。

 


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